不動産のリーシングとは?
オフィス・テナントビル、商業施設、倉庫など、商業用の不動産を取り扱う場合、「リーシング」という業務が物件の収支やブランディングを左右する重要な役割を担います。
今回は、不動産のリーシングについて、概要から詳しい業務内容、成功に導くポイント、市場動向などを解説します。
リーシング業務に携わると、1つの強みとして確実なキャリア形成に繋がりますので、まずはその全体像を把握しておきましょう。
不動産のリーシングとは?
不動産の「リーシング(Leasing)」とは、英語の「Lease(賃貸借)」に由来し、商業用不動産(オフィスビル、商業施設、倉庫など)の賃貸を支援する業務全般を指します。
単に空室のテナントを募集・仲介するだけでなく、物件の収益性を最大限に高めることを目的として、多岐にわたる専門的な業務を行います。
広義では居住用不動産(アパート、マンションなど)の賃貸仲介業務もリーシングに含まれますが、一般的には商業用不動産に特化した業務を指すことが多いです。
リーシングの主な業務内容
不動産のリーシングの主な業務は、大きく以下の段階に分けられます。
- マーケット調査・分析
- 募集計画・戦略の立案
- 募集・集客活動
- 内見・交渉・契約
- 契約後サポート(プロパティマネジメントとの連携)
順番に詳しく見ていきましょう。
1.マーケット調査・分析
まずは、マーケット調査・分析によって、適したテナントを絞り込みます。
マーケット調査・分析に関する主な業務は以下の通りです。
周辺エリアの市場動向調査
賃料相場、競合物件の状況、エリアの特性(人口動態、商業集積など)を詳細に調査します。
ターゲットテナントの選定
物件の特性や立地、オーナーの意向などを踏まえ、どのような業種や規模のテナントを誘致すべきかを分析・検討します。
既存テナントの構成分析
商業施設の場合、既存テナントとの相乗効果や欠けている業種などを分析し、魅力的なテナントミックスを考案します。
2.募集計画・戦略の立案
続いて、募集計画・戦略の立案よって、どのようにテナントを誘致するかを考えます。
募集計画・戦略の立案に関する主な業務は以下の通りです。
賃貸条件の設計・調整
賃料、敷金・保証金、契約期間、フリーレントの有無など、競争力のある賃貸条件を設定します。
物件の強み・弱みの把握
物件の設備、デザイン、立地などの魅力を最大限にアピールするためのポイントを明確にします。必要に応じて、リノベーションや改修の提案も行います。
テナント誘致戦略の策定
ターゲットテナントへのアプローチ方法、広告戦略(Webサイト、専門誌、ネットワーク活用など)を具体的に計画します。
3.募集・集客活動
次に、実際に募集・集客を行って借主にアプローチします。
募集・集客活動に関する主な業務は以下の通りです。
募集図面・資料の作成
物件の魅力を伝えるための高品質な図面やパンフレット、Webコンテンツなどを作成します。
プロモーション活動
不動産仲介会社への情報提供、企業への直接アプローチ、Web広告出稿、内覧会の開催などを通じて、積極的に集客活動を行います。
VR内見などの導入
最近ではVR技術を活用したオンライン内見なども導入され、効率的な集客に繋がっています。
4.内見・交渉・契約
そして、内見・交渉を経て契約に至ります。
内見・交渉・契約に関する主な業務は以下の通りです。
内見案内
実際にテナント候補者を物件に案内し、魅力を直接伝えます。
賃貸条件の交渉
テナント候補者との間で、賃料や契約条件などの交渉を行います。オーナーとテナント双方の利益を考慮し、円滑な契約締結を目指します。
契約締結サポート
賃貸借契約書の作成、重要事項説明、契約締結までの一連の法務・事務手続きをサポートします。
5.契約後サポート(プロパティマネジメントとの連携)
無事契約を終え、テナントが入居した後も、プロパティマネジメント(PM)と連携し、円滑な施設運営やテナント満足度向上のためのサポートを行います。
リーシングは「客付け」に重点を置くのに対し、PMは「物件の管理・運営」全般を指します。
両者は密接に関連しており、両方の業務を総合的に行う会社も多いです。
リーシングの重要性
不動産投資において、リーシングは収益性を左右する非常に重要な要素です。
適切なリーシングによって得られる主なメリットは以下の通りです。
安定した賃料収入の確保
空室期間を短縮し、優良なテナントを誘致することで、安定した賃料収入を確保します。
資産価値の向上
適切なテナントミックスや効果的な募集活動は、物件のブランドイメージを高め、長期的な資産価値向上に貢献します。
リスクの軽減
空室リスクやテナントトラブルのリスクを軽減でき、結果としてオーナーの負担も少なくなります。
不動産リーシングを成功に導くポイント
成功しているリーシングには、以下のような共通点が見られます。
- 徹底した市場調査と戦略立案
- 積極的な情報発信と多様な募集チャネルの活用
- 物件の魅力を最大限に引き出す努力
- 専門性とネットワーク
- 柔軟な対応力
詳しく見ていきましょう。
徹底した市場調査と戦略立案
物件の特性と市場のニーズを正確に把握し、具体的なターゲット設定とアプローチ方法を明確にしています。
積極的な情報発信と多様な募集チャネルの活用
Webサイト、SNS、専門媒体、不動産仲介会社との連携など、様々な媒体やネットワークを駆使して情報を発信しています。
特に近年はVR内見などのデジタルツールを活用する事例も増えています。
物件の魅力を最大限に引き出す努力
必要に応じてリノベーションや改修を提案し、物件の競争力を高めています。
また、エントランスや共用部の清掃など、物件の第一印象にも気を配っています。
専門性とネットワーク
長年の経験と培われたテナントネットワークを持つ専門家(リーシング担当者や専門会社)が関与しています。
柔軟な対応力
市場の変化やテナントのニーズに合わせて、賃貸条件やプロモーション方法の見直しを柔軟に行っています。
不動産リーシングの市場動向
全体的に見て、日本の不動産リーシング市場、特にオフィス市場は、堅調に推移しているといえます。
ここでは、昨今の不動産リーシング市場に見る傾向を紹介します。
オフィス需要の回復
コロナ禍でリモートワークが普及した時期もありましたが、オフィス回帰の動きが強まり、特に都心部ではオフィス需要が回復傾向にあります。
賃料の上昇傾向
空室率の低下に伴い、賃料相場も上昇に転じているエリアが見られます。
セットアップオフィスの人気
初期投資を抑えたい、移転までの時間がないといったニーズから、家具や内装が完備された「セットアップオフィス」の人気が高まっています。中小規模のオフィスビルでも、このような内装付きオフィスが標準となりつつあります。
エリアによる二極化
全体としては需要が回復しているものの、供給量が多いエリアでは引き続きリーシングが厳しい状況が続くなど、エリアによって状況は二極化しています。
まとめ
今回は不動産のリーシングについて、概要や業務内容、リーシングを成功に導くポイント、市場動向などを解説しました。
不動産のリーシングは、単なる仲介業務に留まらず、不動産の価値を最大化するための戦略的な業務であり、専門知識と経験が求められる分野です。
しっかりと経験とスキルを積み上げれば、自分自身の市場価値を確実に高められ、さらなるキャリアアップが目指せます。
以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。
私がこの記事を書いたよ!
おゆき アセットマネージャー、副業ブロガー / 男性
建築会社で主に「アセットマネジメント」と「土地活用コンサルティング」をしています。 ブログ副業で稼ぐノウハウブログも運営中。 「人を豊かにすることが、自分自身が豊かになる最善の方法」をモットーに情報を発信しています。