建物の種類(構造編)代表的な建物構造8種類

建物の種類(構造編)代表的な建物構造8種類

ハセガワ

ハセガワ

おゆきさん!
マンションや商業施設で、RC造だとかS造だとか、たまに耳にします。
建物の種類のことだとは思うんですが、よく分からないので教えてください。

確かに、賃貸の部屋探しの時なんかでも、物件の概要のところには、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)などと記載されているはずです。

これらは建物の構造の種類を表しており、建物において最も重要な躯体となる部分に使用する材料によって分類されています。

これらは、建築費、賃貸する場合の家賃、建物の寿命、組める融資の期間など、建物ならびに不動産の価値を左右します。

今回はこの建物の種類について、代表的なものを紹介していきます。

あなたが将来自分の物件を持つ時にも役立つ知識ですので、是非最後まで読んでみてください。

建物構造とは?

「建物構造」とは、建物を支える柱や梁(はり)などの骨組みのことを指します。

一度造ると簡単に変えることができない、建物の中で最も重要な部分です。

この建物構造は、骨組みに使用されている建築材料によって種類が分けられます。

代表的な建物構造としては、以下の8種類が挙げられます。

代表的な建物構造8種類
  • 木造(W造):Wood
  • 軽量鉄骨造(S造):Steel
  • 重量鉄骨造(S造):Steel
  • 鉄筋コンクリート造(RC造):Reinforced Concrete
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):Steel Reinforced Concrete
  • コンクリート充填鋼管構造(CFT造):Concrete Filled Steel Tube
  • アルミ造(AL造):Aluminum
  • コンクリートブロック造(CB造):Concrete Block

ちなみに、建物構造(骨組み)を作る方法のことを「工法」といいます。

代表的な建物構造8種類

それでは、8種類の建物構造をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

構造の耐久性の目安として、「法定耐用年数」も記載しておきます。

法定耐用年数は、税務の上で課税の公平性を図るために設けられた基準ですが、その建物がどれくらい使用でき、価値があるのかを表す代表的な指標の1つとなっています。

ちなみに、法定耐用年数はその建物の用途によって若干変わってくるので、今回は「住宅」として使用する場合に統一しています。

木造(W造)

木造は建物の柱や梁などの主要な部分を木材で作った構造です。

主に戸建て住宅やアパートに用いられており、特に戸建て住宅の90%が木造です。

木造の建物の法定耐用年数は22年です。

木造のメリット

木造は他の建物構造に比べ、建築に必要なコストが低い傾向にあります。
材料費が安価で、木材の軽さから基礎工事にかかる手間も軽減できるためです。

また木造は通気性が高く、木材に水分を吸収・発散して一定の湿度を保つ「調湿効果」があることから、カビや結露の発生を防ぎます。

湿度の高い日本の住宅に適した建物構造といえます。

木造のデメリット

木造住宅の法定耐用年数は22年で、他の建物構造が30~50年弱程度であるのに比べると、どうしても耐久性で劣る印象はあります。
とはいえ、近年の木造建物は躯体が長持ちする対策を施し、「劣化対策等級」を取得した物件も登場しており、建築費の融資を期間35年以上で組める金融機関もあるなど、法定耐用年数は税務上の数字に過ぎないという見方もあります。

また、木材はシロアリなどの害虫被害を受ける可能性があります。定期的な点検、薬剤散布などの害虫対策は必要となります。

軽量鉄骨造(S造)

軽量鉄骨造は板厚6mm未満の鋼材を使った構造です。

2階建てまでの戸建てやアパート、小型店舗によく用いられます。

軽量鉄骨造の建物の法定耐用年数は、使用する建材の板厚によって変わり、

  • 34年(板厚4mm超え)
  • 27年(板厚3mm超え4mm以下)
  • 19年(板厚3mm以下)

と、3段階になっています。

ちなみに登記においては、板厚4mm超えを「鉄骨」、板厚4mm以下を「軽量鉄骨」と表記します。

軽量鉄骨造のメリット

軽量鉄骨造は、木造の次に建築費が安価な傾向にあります。
材料の工場での大量生産や、現場で材料を加工しない工事の簡素化で、費用の削減が可能となっています。

また、工事の簡素化によって工期が短縮されている点もメリットです。

軽量鉄骨造のデメリット

鉄骨造に使用する鋼材は、高温になると強度が落ちて変形します。火災時には建物が倒壊するリスクがあり、耐火被膜工事などで強度を高める必要があります。

また、通気性や断熱性が悪く、カビや結露が発生しやすいというデメリットもあります。

重量鉄骨造(S造)

重量鉄骨造は板厚6mm以上の鋼材を使った構造です。

軽量鉄骨よりも強度があるため、3階建て以上のマンションやビル、大型店舗などによく用いられます。

重量鉄骨造の建物の法定耐用年数は34年です。

重量鉄骨造のメリット

重量鉄骨造は、柱と梁を一体化し、筋交いを必要としない「ラーメン構造」が採用されています。これにより自由度の高い設計が可能となっています。

また、柱と梁のみで荷重を支えられるため、耐力壁を必要とせず、大きな空間も実現することが出来ます。

重量鉄骨造のデメリット

軽量鉄骨造と同様に、鋼材であるため耐熱性、断熱性、通気性は良くないです。火災時の倒壊リスク、カビや結露などの対策が必要です。

加えて、鋼材の厚みが増すほど材料費が高くなり、建物が重くなる分、地盤補強工事にかかる費用も増えます。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造は、鉄筋とコンクリートを組み合わせて固めた素材による構造です。

引張強度の高い鉄筋と、熱に強いコンクリート、それぞれの強みを活かした強固な躯体を実現します。

中高層のビル・マンションや、3階までの低層でも広い敷地で規模の大きいマンションでは用いられることが多いです。

鉄筋コンクリート造の建物の法定耐用年数は47年です。

鉄筋コンクリート造のメリット

鉄筋コンクリート造は法定耐用年数が47年と、耐久性や耐震性に優れています。

また、建物全体が耐火性の高いコンクリートで覆われていることに加え、気密性の高さによって延焼の危険性も軽減するなど、火災にも強い構造となっています。

遮音性にも優れているため、賃貸住宅においても木造や鉄骨造と比較して高い家賃がつけられる傾向にあります。

鉄筋コンクリート造のデメリット

鉄筋コンクリート造はその性能がゆえ、やはり建築コストにおいてはここまで紹介した建築構造の中で最も高くなる傾向にあります。

コンクリートと鉄筋で出来た重い建物を支えるための地盤工事が必要な他、鉄筋を組んでコンクリートを流し込み、固まるまで待つといった工程もあるため、工期も長くなります。

また、丈夫がゆえに、増改築や解体の費用も当然高くなります。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造に用いられる素材に鉄骨を埋め込んだ構造です。鉄骨造と鉄筋コンクリート造の弱点を補った高性能の構造となっています。

超高層ビルやタワーマンションなどの大規模な建物で用いられることが多いです。

個人や一般的な不動産賃貸業者が建てたり、一棟もので所有することは極めて少ないです。

鉄骨鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。

鉄骨鉄筋コンクリート造のメリット

鉄骨鉄筋コンクリート造はやはり随一の耐久性の高さを誇ります。

鉄筋コンクリート造の耐震性、耐火性、断熱性、遮音性などの高さに加え、耐久性により磨きがかかっています。

また、柱や梁を小さくでき、居住面積を広げることも可能です。

鉄骨鉄筋コンクリート造のデメリット

鉄骨鉄筋コンクリート造のデメリットは、言うまでもなく建築コストの高さです。
建築の工程はもちろん鉄筋コンクリート造よりも複雑になりますし、工期の長さから人件費等々もかかります。

前述の通り超高層のビル・マンションや大規模な建物でないと採算が合わないです。

コンクリート充填鋼管構造(CFT造)

コンクリート充填鋼管構造は、柱となる鋼管の内側にコンクリートを充填した構造のことです。

CFT(コンクリート充填鋼管)造は、2002年6月の建築基準法の告示により、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同じく一般の建築構造となりました。

コンクリート充填鋼管構造のメリット

コンクリート充填鋼管構造はその耐久性の高さから、鉄骨以上に柱や梁を細くすることが可能で、さらに自由度が高く大きな空間を作ることが可能となっています。

また、鉄筋工事や型枠工事が不要で、鉄筋コンクリート造よりも短い工期で人件費を抑えることができます。

コンクリート充填鋼管構造のデメリット

コンクリート充填鋼管構造の建築には、コンクリートの品質管理や鋼管へのコンクリート充填に高い技術が必要となります。

工期が短い分、鉄筋コンクリート造より人件費はかからないと言えど、施工技術に優れた業者が必要となるため全体の費用は高い傾向にあります。

アルミ造(AL造)

アルミ造はアルミニウム製の建材で作った構造です。

アルミ造の建物の法定耐用年数は、使用する建材の板厚によって変わり、

  • 34年(板厚4mm超え)
  • 27年(板厚3mm超え4mm以下)
  • 19年(板厚3mm以下)

と、3段階になっています。

アルミ造のメリット

アルミ造は、材料の加工性や建築の工期にメリットがあります。

アルミニウムは軽量で扱いやすく、精度の高い加工が可能です。現場では工場で加工した材料を組み立てれば良いため、工期を短縮することも可能です。

また、アルミニウムはサビや腐食に強い材料です。塩害を受けやすい海沿いの住宅に用いられています。

アルミ造のデメリット

アルミニウムは、軽量がゆえに鉄やコンクリートに比べると強度は低いです。そのため大型の建物に使うことは困難です。

また、熱を伝えやすい材料で断熱性は良くありません。そのため断熱材を取り付ける、二重構造にするなどの対策が必要です。

コンクリートブロック造(CB造)

コンクリートブロック造は、その名のとおりコンクリートブロックを積み上げて作った構造です。

コンクリートブロックの内部に鉄筋を通す、またはコンクリートやモルタルなどを使って補強することで、プレハブなどの小規模な建物を建築できます。

コンクリートブロック造の法定耐用年数は38年です。

コンクリートブロック造のメリット

コンクリートブロック造は耐震性や耐火性に優れているほか、鉄筋を使わない、または少量であるため、鉄筋コンクリート造よりもコストを低い傾向にあります。

また、外観に独特の風合いがあるため、他の建築物との差別化を図ることが可能です。

コンクリートブロック造のデメリット

コンクリートブロック造は防湿性に劣ることに加え、建築可能な面積や建てられる階数に制限があるため、大型の建物や集合住宅では採用できません。

まとめ|費用対効果で最適な建物構造を

今回は、建物構造の種類について解説しました。

代表的な建物構造8種類
  • 木造(W造)
  • 軽量鉄骨造(S造)
  • 重量鉄骨造(S造)
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
  • コンクリート充填鋼管構造(CFT造)
  • アルミ造(AL造)
  • コンクリートブロック造(CB造)

基本的には、上の5種、木造(W造)から鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)までは、順番に性能・費用ともに上がっていく傾向にあると考えてもらって大丈夫です。

同時に賃貸する場合に設定する家賃も上がりますので、たとえば収益物件の建築を検討するというような場合には、費用対効果を考えながら用途に応じてどの構造が最適化を考える必要があります。

また、下の3種、コンクリート充填鋼管構造(CFT造)、アルミ造(AL造)、コンクリートブロック造(CB造)については、現状においてはあまり一般的とは言えないながらも、将来性や独自性を鑑みて、選択肢には置いておきたい構造といえます。

いずれにしても、我々のような事業として建設・不動産業に取り組んでいる者の立場からすると、最後に物を言うのは費用対効果の部分でしょう。

今回紹介した代表的な建物構造の、いま現在での建築坪単価の相場などは、常にチェックしておくと接客の際などには非常に有効です。

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。

私がこの記事を書いたよ!

おゆき

おゆき アセットマネージャー、副業ブロガー / 男性

建築会社で主に「アセットマネジメント」と「土地活用コンサルティング」をしています。 ブログ副業で稼ぐノウハウブログも運営中。 「人を豊かにすることが、自分自身が豊かになる最善の方法」をモットーに情報を発信しています。

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