【必須知識】都市計画法とは?全体像と要点をわかりやすく解説

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おゆきさん!
建設・不動産業界でよく耳にする「都市計画法」って一体どんな法律ですか?
わかりやすく教えて下さい。
日本の国土は、都市としての機能が集約された市街地や、緑や山に囲まれた郊外、産業を支える工業地帯など、地域ごとに棲み分けがなされています。
このように現在の日本の高い利便性や住み良い環境が形成されているのは、「都市計画法」という法律に則って都市計画が定められているためです。
都市計画によって、各地域が用途などに応じて区分けされ、それぞれに規制が設けられます。
また都市計画は、建築可能な建物や不動産価格を決定付ける重大要素であることから、建設・不動産業界に携わる人には必須の知識と言えます。
今回はこの都市計画法についての全体像や要点をわかりやすく解説します。
都市計画法の全体像がサクッと把握出来る内容になっていますので、是非最後まで読んでみてください。
都市計画法とは
「都市計画法」とは、「国土利用計画法」第9条の土地利用基本計画において、各都道府県の区域を対象に、区分された以下5つの地域のうち、「都市地域」で定められている法律です。
- 都市地域
- 農業地域
- 森林地域
- 自然公園地域
- 自然保全地域
都市計画法の条文には下記のように記載があります。
「都市計画法 第一条(目的)」都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
「都市計画法 第二条(都市計画の基本理念)」都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。
上記のように都市計画法とは、農林漁業とのバランスを大事にしながら、都市の発展を進め、機能的な都市や街づくりをしていくための規制などを定めた法律となっています。
都市計画法の全体像
都市計画法では、日本の国土をいくつかの区域に区分けし、それぞれの区域の特性に適した規制を設けています。
最も大枠の区分けとして、我が国の国土は「都市計画区域」か「都市計画区域外」かの2種類に分かれます。
- 都市計画区域
- 都市計画区域外
それぞれ詳しくみていきましょう。
都市計画区域
まず、都市計画法が適用される範囲を「都市計画区域」として設定します。
さらに、この都市計画区域内においては、以下4種類のさらなる区分けや事業・計画の対象区域が定められます。
- 区域区分
- 地域地区
- 都市計画事業
- 地区計画
詳しくは後述しますが、それぞれの区域において街の発展や整備に関しての都市計画法による規制が設けられています。
都市計画区域外
都市計画区域に指定されていない地域は「都市計画区域外」となり、現時点で都市としての整備や開発が計画されていない地域となります。
しかし、原則として家を建てることができない「市街化調整区域(詳しくは後述)」とは異なり、都市計画区域外であっても家を建築することは可能です。
準都市計画区域
都市計画区域外であっても、すでに建築物や工作物の建設が行われていて、環境を保全せずに放置することで支障が生じると認められる区域については、「準都市計画区域」として指定することがあります。
将来的に開発が進むことが予想される観光地の周辺エリアや、高速道路のインターチェンジがある地域などが例として挙げられます。
都市計画区域に準じた規制が適用され、「用途地域」などを定めることもできます。
区域区分
「区域区分」とは、都市計画区域内における無秩序な市街化を防止し、計画的に市街化を進めていくために、その優先度などから「市街化区域」と「市街化調整区域」とに区分することです。
またどちらにも区分されていない区域を「非線引き区域」といいます。
市街化区域
「市街化区域」は、すでに市街地を形成している区域と今後概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とで構成されています。
比較的に建物を建てやすくしているエリアで、駅や商店街、住宅街などの建物を建て市街化を促進し、発展していくためのエリアです。
市街化調整区域
「市街化調整区域」は、自然とのバランスを重視するため、市街化区域とは反対に、市街化を抑制すべき区域となります。
開発行為の許可を得た場合等を除き、原則として以下の行為が禁止されています。
- 建築物の新築、改築、用途変更
- 第一種特定工作物の新設
田んぼや畑、自然が多く存在しており、一般的な建物を建てるためにも様々な制限がかかるため、比較的建物を建てにくいエリアです。
非線引き区域
都市計画区域内には、市街化区域と市街化調整区域のどちらにも区分されていない区域もあり、そのような区域を「非線引き区域」といいます。
かつては、「未線引き区域」と呼ばれていましたが、2000年の都市計画法の改正によって今の名称で呼ばれるようになりました。
非線引き区域では、市街化区域と比べ、市街化や土地利用、開発に関する規制が緩くなっています。
たとえば、市街化区域では開発許可が必要となる開発面積は1,000㎡以上とされていますが、非線引き区域においては3,000㎡以上とされています。
地域地区
「地域地区」とは、用途の適正な配分や良好な景観の形成等、目的に応じた土地利用を実現するために設定される地域や地区です。
地域地区の代表的なところでは下記が挙げられます。
- 用途地域
- 特別用途地区
- 高度地区等
など
この他にも、いくつかの決まりによって定められた地域地区があります。
用途地域
ここでは、地域地区の中でも最も一般的に定められている「用途地域」について見ていきましょう。
用途地域は、住居と商業、工業のバランスを保ちつつ街を発展させていくことを目的とし、用途地域ごとに建築可能な建築物についての規制が設けられています。
主に規制されるのは建築する建物についての下記項目です。
- 用途
- 建ぺい率
- 容積率
- 高さ(斜線制限)
など
また、この用途地域は全部で以下の13種類あります。
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域
- 近隣商業地域
- 商業地域
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
住宅街、商業地、工業地を明確に色分けするのは、この用途地域と言えるでしょう。
また前述の通り、都市計画区域外においても「準都市計画区域」にあっては用途地域を定めることが出来ます。
都市計画事業
「都市計画事業」とは、国土交通大臣または都道府県知事の認可のもとおこなわれる以下2種類の事業を指します。
- 都市計画施設の整備に関する事業
- 市街地開発事業
それぞれの事業について簡単にさらっておきましょう。
都市計画施設の整備に関する事業
都市を発展させていくためには、道路や水道からはじまり、公園や学校など様々なインフラ整備が必要です。
都市計画でそのような都市施設(都市計画施設)を定めることができ、道路や都市高速鉄道、公園や広場、水道や下水道、ごみ焼却場や学校などの施設を設置、整備することが出来ます。
また、都市計画施設については都市計画区域外でも定めることが出来ます。
市街地開発事業
市街地をさらに発展や整備させていくためには、土地の整備や街の再開発も必要となります。
このような事業を総じて「市街地開発事業」といい、都市計画区域内において下記2種類の事業対象地域を定めることができます。
- 土地区画整理事業
- 市街地再開発事業
「土地区画整理事業」は、未整備の土地に対して、土地の所有者から一部を提供してもらいながら、新たに道路を整備したりする事業です。
「市街地再開発事業」は、駅前に大きなタワーマンションが建つ場合などのように、周辺一体の複数の地権者の土地を使って開発工事を行うことです。
地区計画
「地区計画」とは、それぞれの地区の特性にふさわしい、良好な環境を整備することを目的として、開発や保全するための計画を定める地区のことを言います。
地区計画では、地区整備計画が定められ、生活道路や小公園などの地区施設の設置をはじめ、敷地面積の最低面積や高さの制限などの建築物の規制、緑地の保全を行うことができます。
まとめ|都市計画は「まちづくり」
今回は都市計画法について解説しました。
都市計画法に則って定められる都市計画は「まちづくり」の設計図となるものです。
都市計画を知ることで、どのようなまちづくりが行われているかを把握することができ、それらは不動産価値の把握にも繋がります。
購入を検討している不動産や、自分が担当しているエリアなどがあれば、必ず都市計画をチェックするようにしましょう。
以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。
私がこの記事を書いたよ!
おゆき アセットマネージャー、副業ブロガー / 男性
建築会社で主に「アセットマネジメント」と「土地活用コンサルティング」をしています。 ブログ副業で稼ぐノウハウブログも運営中。 「人を豊かにすることが、自分自身が豊かになる最善の方法」をモットーに情報を発信しています。